虹の家臨時休館期間の取り組みを契機として創設したこのコーナーは、今後名称も新たに、年間を通して
舞岡ふるさと村・舞岡ふるさとの森で見られる昆虫を、写真で紹介していきます。
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季節外れのユキヤナギの花 地下鉄の舞岡駅から虹の家に向かう道には、 ユキヤナギがたくさんある。 花は、普通なら2月下旬から咲き始め3月中旬 には満開になるのだが、12月から1月でも ほんの少しだけ花が咲いている。 気が早いというか季節外れの開花で、 狂い咲いている状態だろう。 撮影: 2023年1月8日 |
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イセリアカイガラムシ メス (ワタフキカイガラムシ科) そんなユキヤナギの枝に、花とは違う白い塊が あちらこちらにくっついていた。 越冬しているイセリアカイガラムシのメスだ。 大きさは約10ミリメートル。 撮影: 2023年1月11日 |
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イセリアカイガラムシ 拡大 イセリアカイガラムシはオーストラリア原産 の虫で、明治時代にはアメリカなどの地域から 苗木に付着して運ばれて来た。 糸のように細い口を植物に突き刺して汁を吸う ので、農業上でも困りもののムシだ。 虫の本体はオレンジ色の前半部(写真では 上側)だけで、白い鳥の翼のような形の 後半部は、この虫が体から分泌したロウ物質 でできた卵のう(卵を保護する袋)だ。 撮影:2023年1月8日 |
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イセリアカイガラムシの卵のうの中 撮影用に採集してきた個体は、卵のうの背中 が割れていたので、中をのぞかせてもらった。 卵のうに詰まったフワフワの綿のようなものを 取り除くと、オレンジ色の小さな幼虫が 出てきた。 長い触角と脚があり、活発に動き回っている。 そして卵のうの奥、メスのお腹に接する部分 には、赤い卵のかたまりが見えた。 冬の間も、卵のうの中では幼虫がふ化して いるようだ。 野外では、卵のうの外側を歩く幼虫を見ている が、幼虫は冬でも母虫から離れて独り立ちを しているのだろうか。 撮影:2023年1月22日 |
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イセリアカイガラムシ メス成虫の触角と脚 母虫の体を裏返してみた。 オレンジ色の腹部には、一対の触角と三対の脚が あり、脚はモゾモゾと動かしていた。 一般にカイガラムシの仲間は、オスの成虫は翅が あって移動できるが、メスは成虫でも翅がなく、 植物にくっついて動かなくなり、脚が退化して なくなってしまう。 しかしイセリアカイガラムシは、成虫のメスも 歩いて移動することができるようだ。 撮影:2023年1月22日 |
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